孔内静水圧透水試験装置US-30
大深度地下においてもダルシー則にのっとった多段式透水試験ができる
地下水位が低いボーリング孔でも微小圧力のルジオンテストを可能にしました
従来、一般的に行われているルジオンテストの測定装置では、地下水位に規制され、必然的に静水頭が作用する、よって静水頭以下の圧力条件下での試験は不可能となる。軟岩はもとより、強風化岩、破砕部などの限界圧力が小さい地盤で、地下水位が低い場合は、限界圧力およびルジオン値を正確に評価できるデータを提供できませんでした。
孔内静水圧透水試験装置US-30は、注入管のなかの任意の位置に試験圧力相当の静水頭をつくることができるため、あらゆる地下水条件下でも微小圧力でのルジオンテストを可能にしました。
測定に使用する流量・圧力記録装置は、ルジオンテスト専用に使いやすさを重視しすべてに新しく設計した専用機です。
また、本試験装置は透水性が著しく大きい多孔質地盤、開口亀裂性岩盤等の透水試験にも有効です。
孔内静水圧透水試験法の原理および方法
孔内静水圧透水試験法では、水位を一定にする方法として、真空状態を利用する方法と水位低下に見合った流量を人為的に供給する方法とがあります。前者の方法は、自然現象をそのまま利用するため、装置がシンプルとなる利点がありますが、10m以浅の水位に対してしか適用できません。後者の方法は、定水位を維持する流量を迅速に供給するセンサーとツールスが必要となりますが、試験深度の制約はなく実用的です。
孔内静水圧試験装置US-30型は、後者の方法を採用した装置です。
上図は、本装置を利用した透水試験法のブロックダイヤグラムで、孔径66mmのボーリング孔に挿入した注入管中に注入ホースで送水し、管内の水頭を一定にした状態でルジオンテストが行えることを示しています。
原理は、地盤への透水によって低下する水位をセンサーでとらえ水位を一定にするために必要な流量を迅速に供給することにあります。そのための計測装置は孔内圧力センサー、流量調整バルブ、圧力・流量測定器・同変換器・記録計および関係ツールスからなっています。
本試験では、水頭ゼロから漸次水頭を加えて各圧力段階の流量を計測します。試験水頭が地表に達すれば、ポンプやその他の加圧方法により連続して通常のルジオンテストを行うことができます。
ルジオンテストでの使いやすさを追求した流量計
記録部
透水性が著しく大の多孔質地盤、開口亀裂性岩盤等の透水試験
現世の珊瑚石灰岩、高熔結凝灰石、流紋岩、熔岩等では、調査孔径の制約も加わり管内抵抗の著しい増大によって地上加圧方式だと地質本来の(極)大ルジオン値が示されないケースが少なくありません。条件があまりにも例外的であるため、たとえ管内抵抗を計算で補正しても不確定な値の域を出ません。図-1,図-2はそれぞれ本試験法による熔結凝灰岩と玄武岩熔岩の例です。
低い有効圧力で試験ができるため、一般に大流量でないと測定できないケースでも通常のポンプで有効な試験結果が得られています。
図-3は開口亀裂を有する流紋岩の同一ステージにおいて従来法(地上加圧式)と孔内静水圧法によるルジオン値の測定結果を対比したものです。これによると地上加圧式で測定したルジオン値が10Lu程度以上になると、孔内静水圧法で測定したルジオン値はかなり大きな値を示すことが示されます。すなわち、後者の方が10倍から30倍の値となっています。
更に、50Lu程度以上になると孔内静水圧法の値は放物線的カーブを描いて45度の線を大きくはずれる傾向が読み取れ、値は不確定で非常に大きくなることが十分推測されます。
これは乱流によってエネルギーが消費し(損失水頭が大きくなり)見掛けルジオン値が非常に小さく現れているためと考えられ、実際の値は孔内静水圧法で求めたものに近いことが言えます。
仕様
構成項目 | 仕様 |
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孔内圧力検出部 |
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パッカー、マニホールド等 |
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流量・孔口圧力検出部 |
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記録部 |
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